人が居ないだけで随分と無気味になるもんだ。
もしかしたら居るかもしれない、と思えば尚更だ。
ギィ…ギィ…
酒場の戸が呻き声を上げる。
今居るのはここを自分の町だと意地を張る少女とガキだけだ。
やつら、よくこんな薄気味悪いところに住めるもんだ。
――ま、そんなことはどうでもいい。
ガキ共を追い払って、お楽しみといくかな。
ここじゃ人目をはばかることも無い。
 
 
ん、なんだ見慣れないヤツが居るな。
しかたねぇ。変にモメるのも面倒だし、
あいつも誘ってやるか。
おぃ、アンタ。
別に独り占めするつもりじゃないが、やるなら俺が先だか…
 
……なんだ?
目の前 広が てるケチャップみ いな  の   は?