また今日も誰かがゴールドバーグの手下に殺された。
町の人間のほとんどはゴールドバーグを見たことが無い。
配下のものであっても、ゴールドバーグの姿を見たものは
数少ないという。
だが町の人間は奴の存在が姿かたちではなく
自分たちを支配する恐怖の感情であることを知っている。
その姿を見たからといって何が変わるというのか。
ゴールドバーグという単語は、死神という言葉に等しい。
死を司る者、死の商人。
その絶対的な力を以って、奴は自分の帝国を作るつもりだ。
我々力の無いものに逃げ道は、無い。
確か、血抜きの拷問具があったな…
さしずめ、この町はその拷問具と言ったところか。
俺も死ぬまで全てを吸われ続けることになるだろう。
弱肉強食が夜の理。弱者は強者に狩られる。
ゴールドバーグという強者の糧として…