「お邪魔しますよ、お嬢さん」
子供たちの声が止む。
今日もあの巨漢がアンネを町から追い払う為、
大勢の手下を引き連れてここにやってきた。
「困りますね、お嬢さん、いいかげんにして頂かないと…」
そう言って、手持ちの重機関銃を小屋に向かって撃ち込む。
小屋が一瞬で吹き飛び、トイレットが剥き出しになった。
「ふっふっふ。中に誰も居なくて良かったですね、ミスアンネ?」
紳士的に振舞いつつも、恐怖をあたりに撒き散らしていく。
暴力を行使する力を持ち、人を支配する策謀も併せ持つ、
ゴールドバーグの片腕、ジャン。
「危ないじゃないか、このー!」
「!」
ジャンに飛び掛ったジョーイが吹き飛ばされ、崩れた小屋に突っ込む。
「ヘイ、ボーイ?なんでも暴力に訴えかけるのは、美しくない」
チッチ、と指で制し、ジョーイを殴り飛ばした銃機関銃を背中にしまう。
 
「また日を替えてお伺いしますよ、お嬢さん」
手下達が町を破壊しつつ去っていく。
残ったのは破壊された家屋、不安と恐怖。
子供たちの表情も硬く、沈んでいる……