ラドー。
立派な口ひげを携えた紳士は彼のことをそう呼ぶ。
 
2丁拳銃の彼の早撃ちは侍の居合を連想させた。
西部開拓集団に身を委ねる彼は、中国人のような
顔つきで、バーでアルコールをあおるガンマン達とは
少し 雰囲気が違っていた。
虎のような眼を持つ彼が無限に広がる西部の荒野を
見つめる。
その眼は強く、そして哀しい。
彼が地平線の向こうに見るものは――――――