〜〜〜2003/03/07 戸田〜〜〜
さて、発売から早くも一月が経とうとしています。
皆様、エンディングはいくつご覧になりましたか?

制作初期の話ですが、そういえば「これは観ておこう映画」というのが色々とありました。
世界観があんななので、「アンタッチャブル」や「L.A.コンフィデンシャル」や「第三の男」。
銃撃戦やカーチェイスの参考に「デスぺラード」や「ドーベルマン」や「Taxi」。
僕も自宅から映画のパンフレットをたくさんもってきて、図書棚に並べたりしたものです。

ゲームも、「まるで映画のような」という陳腐な台詞でその魅力が語られることが多くなってきましたが、こと「演出」という部分においては、やはりまだまだ映画から学ぶべきことだらけのような気がします。「ゲーム」が持っている強みとは何かを、もう一度再認識する必要があるなあと、最近とみに思います。

映画でふと思い出しましたが、同じ時期、刑事モノということで「ブラックレイン」を観なおした憶えがあります。無国籍映画としてはヒジョーに面白い作品でしたが、まるで未だに「あらこんなところに牛肉が〜」と口ずさんでしまうCMソングのように、時折頭をよぎるシーンがあります。

それはストーリー後半、どこかの片田舎で、ヤのつく危険な人たちが一同に介するシーンなのですが、若山富三郎扮する親分が、松田優作に対しドスの利いた声でこんな台詞を言います。日本語で。

「杯(さかずき)とらんかい!」

で、このとき字幕は、

「Take the cup!」

……そ、そんなあ。

だからいまだに、書店で翻訳モノコーナーにいくと、真っ先に「Take the cup」が頭に浮かんでしまいます。
僕をこんな体にした責任を、リドリースコットはとってくれるのでしょうか。


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