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「キキッ こいつ、こわれちゃったよ」
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太陽の光の届かない暗闇の中で何かが蠢く。
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資源発掘の為、
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多くの人間がこの穴倉で自然と格闘している。
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そんな労働者の内の一人が倒れた。
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ここは炭鉱。
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ゴールドバーグに支配された強制労働所だ。
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ここ一帯の町の人間は
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ゴールドバーグにより定期的に徴集され、
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ここで死ぬまで働かせられている。
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「じゃ、持っていくよ。キッキッ」
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身の丈の小さい看守らしき人間が二人。
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そのうちの一人が楽しそうに
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亡骸を持ち上げて去っていく。
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「キキッ、新鮮なうちに持っていくんだよ!」
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死んだものはすぐに
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炭鉱の奥に持っていかれる。
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―――新鮮な死体―――
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看守の口癖だ。
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炭鉱に風が流れる。
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その風の流れは、
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死んだものの無念の声のように
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炭鉱中に響き渡る。
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その音は日に日に高く、
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大きくなっていく。
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そして今日もまた一人、
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炭鉱の暗闇に消えていった……
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