「お姉ちゃん!」
「まぁジョーイ、どうしたの?」
ジョーイと呼ばれた少年が、嬉しそうに木の枝を振り回す。
「これで悪い奴らをやっつけるんだ!」
少し困ったような、しかし、子供たちに心配させないように、複雑な笑顔を作る。
彼女の名は、アンネ。
ここ、ゴーストタウンでみなしごとなった子供たちの世話をしている。
大人たちは皆、強制労働所に連れて行かれこの町はすっかり寂れちまった。
彼女は、この寂れた町のただ一つのオアシス。
慈愛に満ちた性格は子供たちを惹きつけ、心のよりどころとなっているようだ。
昔は活気のあるいい町だったみたいだが、今じゃ見る影も無い。
彼女はそんな自分の町を取り戻したくてここに残っている。
健気なもんだ。
だが、世の中そんなに甘いもんじゃない。
そんな彼女に、ゴールドバーグの刺客が向けられる。
「きゃあ!」
 
神よ、どうか彼女を助けてやってくれ…