個性豊かなボスキャラクター達
2012年7月27日
久しぶりの登場です。
アクワイア広報の平田です。
先日のプレスリリースでも公開させていただいたのですが、
『orgarhythm(オルガリズム)』では、各ステージの最後にボスキャラクターとの戦闘があります。
『orgarhythm(オルガリズム)』に登場するボスは、みんな個性的。
その姿形も人の形をしていたり、戦車のようでもであったりと様々ですが、その中でも一番目立っている個性、それはなんといってもその動き(踊り)。
各ボスキャラクターの背景や、その性格を垣間見ることができます。
実は、全てのボスキャラクターには、ゲーム内では明かされていない名前と設定があるんです。
例えば、妖艶かつ、大胆な踊りで迫ってくる、ステージ「名前のない女神」に登場するボスキャラクター。
こんな設定があります。
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<以下、プレスリリースより転載>
スローテンポな楽曲、美しい姿に惑わされることなかれ。
その容赦ない攻撃に苦戦を強いられることでしょう。
名前:MAYA-HONA
特徴:「美しい」は自分のためだけの形容詞と思い込んでいるダンサー。
自分を大きく魅せる動きが特徴的で、「ALICE-ix(他ステージのボス)」を常に意識している。
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この他のボスキャラクターも設定を知っていると、楽曲や動きとの関連を見つけることができ、
より深く『orgarhythm(オルガリズム)』の世界を楽しむことができると思います。
どうですか?
他のボスキャラクターも見てみたくありませんか?
いずれ、全ボスキャラクターの設定を公開できれば…
と目論んではいるので、気になる方はもうしばらくお待ちいただきますよう。
ボスとの遭遇は必然とはいえ、恐怖でもあり、楽しみでもあり…。
きっと愛着が湧く、お気に入りのボスキャラクターに出会えると思いますよ。
株式会社アクワイア
広報 平田稲穂
orgarhythm::strategy
2012年7月20日
『orgarhythm』は「MUSIC x STRATEGY」と2つのジャンルの“融合”で構成されている。
そして“融合”とは「音ゲー」「ストラテジー」の2つの遊びを同時に行うスタイルである。
もちろん使う脳が違うので「難しい」に決まっている。
序盤ステージでは「音ゲー」は「やった方が良い」というスタンスを保ちつつ、「ストラテジー」は「間違えない方が良い」という塩梅だ。
個別に出来るようになってから、最終的に両方とも同時に出来れば良いように設計しているので、今回はまずその「ストラテジー」の遊びを紹介する。
ベースとなるゲームデザインは「タワーオフェンス」で構成している。
自分は光の神で「火(赤)」「水(青)」「土(黄)」の民を画面内の好きなところに『一筆書き』の要領で画面をドラッグさせて配置命令が出せる。この『一筆書き』の長さによって、配置される人員数が変わってくる。
「土(黄)」を「植物(緑)」に出来た方がもっと「3すくみ」が分かりやすく、且つ緑色を用いた方が海外で「Earth」という表現もピッタリだろうという葛藤はあった。
ただ属性なのに「火」「水」「植物」だと同じスケールの属性イメージが持てずに「火」「水」「土」の「3すくみ」にした。
基本の遊びはこの3すくみによる「ジャンケン」で、序盤は出てくる敵に対してそれに対する得意属性を配置するシンプルな操作である。
徐々にジャンケンをするタイミングが早くなる。
敵の出てくる順序と向かってくる順序が少しずつ変わってくる。
同じ属性が重複して出てきて配置する人数についても、ユーザが意識する必要が出て来る。
ジャンケンでいう「あいこ」状態の同属性で現状を延命させたり、「負け」の状態の苦手属性でも人海戦術的に勝てるように処理させたりと次々に判断を下して行かねばならない構成だ。
更に『orgarhythm』では『兵科』と呼ばれる攻撃方法が4つある。
「打撃」「弓」「投石」「生贄」だ。
「生贄」が使えるようになるのは後半ステージになってからで、その状態では操作も慣れていると思う。なので、今回は「打撃」「弓」「投石」に関してのみ説明する。
打撃 近距離、 攻撃間隔:1回/2拍、攻撃力:中(単体)
弓 長距離(水平)、攻撃間隔:1回/4拍、攻撃力:小(単体)
投石 近距離(垂直)、攻撃間隔:1回/8拍、攻撃力:大(全体)、4体必要
3つの兵科に強い弱いは存在せず状況により判断させることが多い。
打撃 通常
弓 柵の向こうにいる距離のある敵、苦手属性を遠距離からの攻撃
投石 高台の上にいる敵、1箇所に固まっている敵への攻撃
という状況で使うことが多い。
後半になるとギミックにより「民を配置して攻撃を行う」という今までの操作の根底を覆して「民を逃がす」という操作も必要になり、更に複雑さが増してくる。
初期の民数は3属性4体ずつの合計12体からスタートする。
各属性は16体まで増やすことが出来てMAXで48体までの部隊となる。
奇しくも最近流行りの数字になってしまった。
神の恩恵として、神から近くにいればいるほど民の体力が少しずつ回復する。
また攻撃力も神に近ければ近いほど高く、離れると少しずつ弱くなる。
しかし、神の近くでバトルを行うと、神も攻撃されてしまう可能性も高くなり、状況判断が必要である。
尚、『orgarhythm』では操作キャンセルができない意地悪な設計にしている。
間違えた時の消しゴムはノーリスクでは行わせない。
なかなか思い通りに操作出来ないもので、分かっているのにやられてしまうというところを大切にしている。
いわゆるオールドスタイルのゲームデザインだ。
アーケードに様々なゲームが増えた80年代前半、ファミコン全盛期の80年代後半、SegaSaturn/PlayStation登場の90年代中 盤にあったような懐かしくもあり、プレイしたけどうまく操作できずに失敗して悔しくて、次にはうまくいけそうでまたやって、ようやくクリアして浄化される が、またすぐ失敗して悔しくて、の連続で何度も何度もやってしまうような創りを目指した。
そうしている内にユーザは高い操作スキルを身につけているに違いない。
そんな「オルガリズマー」が増えてくれることに大変期待している。
『orgarhythm(オルガリズム)』ディレクター
ネイロ株式会社 代表取締役 平井 武史
疑問
2012年7月11日
『orgarhythm』は見て頂いて分かる通り、メチャメチャ派手なタイトルではなく、こじんまりしている感がどうしても否めない。
それには様々な理由が存在する。
「新」ハード、「新」ジャンル、「新」操作、「新」開発会社…と「新しい」という形容詞がたくさん入るものはリスクが高いと分かるだろう。
またこのリスクを回避する方法も容易に想像できるだろう。
それにも関わらずなぜ『orgarhythm』を開発することが出来たのか。
「最近の音楽ゲームの進化に『疑問』がある」
を共有できたからである。そしてリスク回避は
「シンプルに表現する」
だった。
『orgarhythm』では蛇足というものを削げるだけ削いだ。
ボクがメディアを通してよく話をさせて頂いている通り「ゲームデザイン」にこだわった作品だ。
実に開発期間は9ヶ月。ゲームデザインを決める前からマスターアップまでの総合計期間だ。
こう書くと、クオリティやコンテンツボリュームが心配されるかもしれないがそこはご心配なく。
オーケストラではなくロックな創りではあるがパフォーマンスの面でも遊べる時間の面でもしっかり考えて表現している。
期間が短縮できた要因は、ボクのまわりにボクを支えようと集まってくれたスタッフが多かったこと、「新しいエンタテインメントを創りあげるんだ」と いう意識を最後の最後まで最優先でスタッフが持ち続けたこと、それをアクワイアの全スタッフが支えてくれたこと、この3つが本当に大きい。
では具体的に開発として短縮できた方法はというと
「アジャイル開発」でも「ウォーターフォール開発」でも「PDCAサイクル※」でもない。
そもそも新規ゲーム開発において「PDCA」が成り立つと考えているのであれば、それは何かに類似したタイトルか続編タイトル、若しくはゲームデザインにそれほど重きをおかない開発をベースにした場合だろう。
ボクはこれが通用するフェーズは、ゲームデザインとしての開発が完了しており、構築とブラッシュアップにフェーズ遷移している段階と考える。
※事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つ。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4 段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する。
遊びの本質は操作と方向性のゴールを決めてそれに対するアプローチを縦に積んで行くことで導き出される。
アイデアというものは、
横に並べることは簡単。縦に積むことは困難。
積み重ねていくことで、更に指数的に解が存在しなくなっていく。
今回もゴールイメージはあったがなかなかそこに到達できない。
フォーカスが弱いとスタッフには伝わらないし動きはほとんど期待できない。アイデアを出してもらうことも相互に創り上げてもらうことも難しい。
一歩引いた位置からコンセプトを伝えて、まずゲームデザイナーに「音ゲー」から「ストラテジー」を意識して開発をしてもらった。その後に「ストラテジー」から「音ゲー」を意識してゲームデザインを変えて展開した。
更にこのゲームデザインを自分が考えた「音ゲー」の遊びと操作を入れて、且つリスク&リターンを構築した。最後にゲームで必要な要素を分解して難易度曲線とラーニングスキルをベースに時間軸上に階段状に並べて最終的なゲームデザインに落とし込んだ。
結果からいえばこの行程を作り上げるのが早かったのだろう。
自分が策士となり、全行程をそれぞれの型にハマった分解をし実施していたとしたら、スタッフは創る時にクリエイティブで有り続けてくれただろうか。
答えは遠くに見えていたがアプローチが分からず、ボクが悩み考えていたからこそスタッフがそれに対して「目的意識」を共有し一緒に考えて創り上げてくれたから出来たのではないだろうか。
全ては「疑問」からはじまった。
ボクが尊敬するアルベルト・アインシュタインのコトバを借りてお伝えする。
“The important thing is not to stop questioning. Curiosity has its own reason for existing.”
「重要なことは疑問を持つのを止めないことである。好奇心はそれ自身に存在の意味がある」
『orgarhythm(オルガリズム)』ディレクター
ネイロ株式会社 代表取締役 平井 武史
続:新しいゲームジャンルへの挑戦
2012年7月4日
今回は『orgarhythm』が生まれた経緯について。
音楽ゲームを作るにあたって、我々には経験がまったくなかった。
故に技術と音楽ゲームの造詣の深い、平井さんに協力を仰ぐことにした。
プロジェクトの開始はかなり前の話である。
ちょうど大地震があった時に打ち合わせをしていて、 平井さんが帰宅困難状態になったということもあった。
「会議室に亀裂が!」
プロジェクトのキックオフとも言うべき打ち合わせ最中の話である。
「無事であるならば必ずゲームを作りましょう」
我々の仕事はユーザーに夢を与える仕事。
今まで通りゲーム作りを続けられることが何よりもラッキーであり、 ゲームしか作れない我々に何ができる、といったら、 色々な人に夢を与えることこそが、我々の使命であると再認識した時期でもあった。
音楽ゲームは、感性がそのままゲームになるという意味で、すごくいい。
『orgarhythm』はゲームの成長発展を望む人たちにとって、 ゲームが進化する系譜の新芽になったと言われるだろうし、 そういう視点で私はゲームユーザーに挑戦したいと思う。
遠藤 琢磨