新しいゲームジャンルへの挑戦
2012年6月27日
無謀にも新たな音楽ゲームを生み出そうと言い出したのは自分。
新しいハードが出る時こそ新しいゲームジャンルを生み出すチャンスだと考えたからだ。
当初の企画物とはまったくイメージの違う企画だが、『orgarhythm』は当初のコンセプトである「新たなる音楽ゲームジャンルの創出」というDNAを受け継いでいる。
歴史を振り返ると、、、音楽とゲーム。
その組み合わせをゲームにするという試みは多く行われ、音楽ゲームというジャンルを生み出された。
ただ、かねてより「音楽ゲームは果たしてそれは音楽を生かしているのだろうか?」という疑念があった。
反射神経とリズムの正確さと記憶だけを追求するゲームがほとんど。
どちらかというと楽譜を見ながら演奏する行為に近いかもしれない。
もっと音楽が持つ自由さを持ちながら、そして、それでいてゲームロジックと融合させることはできないだろうか?
そのひとつの回答が『orgarhythm』だ。
是非ゲームをプレイし、音楽をプレイして欲しい。
アクワイア代表
遠藤琢磨
「×」が重要です。
2012年6月20日
はじめまして。
「orgarhythm」のtilt-shift movie(ティルトシフトムービー)のレッド担当 平田です。
もとい、広報担当 アクワイアの平田です。
さてさて、初めてのコラムです…何を書こうか迷いますね。
全身タイツで登場したtilt-shift movie(ティルトシフトムービー)の制作秘話について書こうか、とも思ったのですが……。初回くらいはね、真面目に書こうかな、と。
さてさて。
今年のE3に「orgarhythm」が出展し、多くの方に試遊していただくことができました!
試遊してくださった皆さん、ありがとうございます!!
そのプレイレポートが、日本のみならず、世界各国のゲームサイトに掲載されています。
その1部をこのサイトの「SPECIAL>E3レポート」で紹介させていただきましたが、
その国の多さといったら…っ!
本当に世界各国のユーザーさんからの声が届いており、嬉しい限りです★
…が、まだまだ「orgarhythm」の全容は謎のまま?という方が多いのではないでしょうか?
今までで「orgarhythm」について多く聞かれる質問が
「「orgarhythm」のジャンルって何ですか?」という質問です。
さて、orgarhythmのジャンルはなんでしょう?
今までにプレイしていただいた方に聞いてみると、
「あー、プレイしてみるとやっぱり”ストラテジー”ゲームですねー」
「この”音ゲー”、何度でもプレイしたくなりますね」
「”タワーオフェンス”のすごい版…みたいな感じ?」
「これは新しい”アクション”ゲームですね~」
などなど…。
不思議なことに、プレイする人によってジャンルが変わってしまいます。
答えは…というと、ゲーム誌などには「ミュージック×ストラテジー」という新しいジャンル名にしています。
「ミュージックストラテジー」ではありません。「ミュージック×ストラテジー」です。
真ん中の×、重要です。
このゲームの中で、「ミュージック」要素と「ストラテジー」要素は調和しつつも、決して交じり合ってはいないからです。
この「orgarhythm」というゲームは、今までは決して交じり合うことがないと思われていた、2つのジャンルを掛け合わせて作られたゲームです。
「音(リズム)ゲー」であり、「ストラテジーゲーム」でもあるのです。
では、なぜ一般的にもポピュラーな「音(リズム)ゲー」であり「ストラテジーゲーム」でもあるのに、ゲーム説明やプレイ動画を見ても謎のままなのか…というと。
それは、「ミュージック」と「ストラテジー」が化学反応を起こして現れた、
今までに存在するどんなゲームにも似ていない【全く新しいゲーム】だから、
といっても過言ではないかもしれません。
これはネイロからの、そしてアクワイアからの、ゲーム業界への挑戦状になってしまうかも?
(ちょっと言い過ぎたかも…)
今は「よくわからない謎のゲーム」。
でも、公式HPなどで少しずつ開示している情報が、最終的には1本に繋がるはずです。
これからもチェックしてみてくださいね。
ちなみに、本日からMOVIEコーナーに「game play movie」をアップしました。
「orgarhythm」がどれだけハマる&ノリノリなゲームなのか、こちらもぜひご覧ください。
不可能を可能にするヒント
2012年6月13日
一見難しい話だが、実はシンプルな話をしよう。
「不可能は1つでは不可能なことが多いが、不可能なことが2つある場合に可能」という解を導き出す可能性がある。
単純な話だが、
Aさんは絵を描くことができる。ただし楽器の演奏はおろか音楽の知識もない。Bさんは音楽の知識があり作曲ができる。ただし絵を描くことはできない。
不可能なことが2つある。
Aさんが作曲をすることとBさんが絵を描くこと。
この2つの不可能があるにも関わらず1つの可能が生まれる。
2人が協力すれば「絵に音を合わせた1つの映像」という作品が出来上がる。
この単純な理論を大きくしていくことで様々なアプローチにより可能なことが起きる。
一般的に「化学反応」という言葉を使う傾向にあるが、実際にゲーム制作においてはよくあることだ。複雑に織り交ぜていくこと、仮説を元に仮説を設計して骨子を作って試して取捨選択して肉付けするなど、一筋縄ではいかないことが多い。
ただこういったことを日本の中で多くトライしてきたし、そういったエキスパートな人材と一緒にクリエイティブに時間を費やしてきた。
「MUSIC x STRATEGY」とは、かなり遠くて見えない霧に囲まれた高い山に感じたが登れないと思うことはなかった。
そしてorgarhythm(オルガリズム)は完成した。
ボク自身が満足する形で、スタッフにも共感を得られて、かつ遊んで頂いて面白いといってもらえる可能性のある内容として。
どうやって開発をしたのか。
レシピは公開しないがレシピのヒントとして、ボクがときどき話すことを公開する。
「人がいかに曖昧な確率感を持っているか」。
数学は嘘をつけないし統計学は確率的に当たりやすいことが多い。
その中で「ベイズの定理」という(事後確率と言っても問題ないと思うが)定理が存在する。
人は今この瞬間の確率なら感覚で分かることが出来る。しっかり計算も出来る。
「コインを投げて表が出る確率は?」…1/2。
「サイコロを振って1が出る確率は?」…1/6。
ただ確率計算が1回ではない確率になると、想像すら出来ない。
「学校で50人のクラスがある。この中で誕生日が1組以上同じ確率は?」
単純な確率論で計算してもらって構わない。
50人いて誕生日が365日あるから50/365=13.6%くらい?
これが一般的な模範解答で、ボクの恰好のお客様だ。
この確率の正しい計算のレシピは
「1組以上誕生日が当たらない確率の連続」によって求めることができる。
1人目…365/365(任意)
2人目…364/365(1人目とだけは当たらない確率)
3人目…363/365(2人目までと当たらない確率)
:
:
50人目…316/365(49人目までと当たらない確率)
これを掛けると答えになる。
そうすると23人いれば誕生日が同じ確率が50%を超える。
50人もいれば97%の確率で同じ誕生日の人が存在する。1組はいると言っても過言ではない。
ミンナも頭で考えても分かりづらいが実際に計算してみる、若しくは学校や会社で調査すれば良いだろう。
歳は違えど同じ誕生日の人がかなりいるはずだ。
これからも考えても分からない罠(トラップ)によってミンナを誘導し楽しんで頂きたいし、そうなっていることでボクも楽しみたいと願う。
orgarhythm(オルガリズム)ディレクター
ネイロ株式会社 代表取締役 平井 武史
「オルガリコラム」開始
2012年6月7日
現在、現地時間6/5 18:00、日本時間6/6 10:00。
第1回orgarhythmコラム「オルガリコラム」開始。
今回は、世界初プレイアブル出展のE3会場からお届けする。
E3(Electronic Entertainment Expo)会場(ロサンゼルスコンベンションセンター) West Hall Exhibits の SONY COMPUTER ENTERTAINMENT AMERICAブースに『orgarhythm(オルガリズム)』の試遊台が4台あった。
アテンドしてくれていたのはXSEED GAMESの女性スタッフたちでとても丁寧にユーザに説明しているのを見た。
説明の邪魔にならない程度に彼女らに話を聞くと、彼女達自身が「音楽ゲーム」も「ストラテジーゲーム」も大好きで、このゲームの説明担当になってとても嬉しかったとのこと。有り難い話だ。
最初の光景もそうだが、彼女たちならしっかりE3での説明を任せられると感じた。
背中のロゴも格好良かった。
ユーザはヘッドフォンをしてプレイに集中する。
『orgarhythm(オルガリズム)』は超集中ゲーと言っても過言ではないくらい、集中度をMAXにして臨むことが必要だ。
しかも右脳も左脳もフル回転しながらのプレイがベストなので、日本では通学・通勤中に電車の中でプレイするのは控えた方が良いだろう。終点が目的地でない限りは。
そして改めてユーザのプレイを観ていて感じたことがある。
まずタッチ操作は見ていて単純に楽しい。何をしたいかが一目瞭然だしタイミングもやろうとしたことも理解できる。
上手いプレイをしているユーザを見ると感動さえ覚える。
そういうユーザは終わった後、かなりスッキリした顔になっているから不思議だ。
プレイしたユーザからヒアリングした内容をお伝えすると
「ここまで成功が連続した時の興奮度とカタルシスが高いものは今までの音ゲーには無かった。逆に失敗してしまった時の残念度も残念すぎるくらい高い。なので、“次こそは!”と、もう1回もう1回という気持ちに自然になるのが特に嬉しくて心地よかった。」
と言って頂けた。
彼はこの賛否両論が多いプロダクトのハマるサイドだった。
この作品をお披露目するにあたって怖くて眠れない日々が続いていた。それは特別新しい新しくないかはともかく、今までにないゲームデザインと操作方法を取り入れたからである。
過去はこの瞬間から過去である。同時に未来もこの瞬間から未来だ。
ということは「記憶に残るもの」と「受け継がれていくもの」の分岐点は同じではないだろうか。世に送り出した瞬間からミンナの時計が動いていって、 評価は内容とそれぞれの観点で分岐していく。ただ一つ言えることはこの分岐を広げたことを後悔させる作品には決してしていない。それほどスタッフ総勢で悩 み、考え、絞り出し、紡いだものに仕上げた。最初に書いたことと矛盾するようだが、ボクが今まで創り上げてきた中で最高のものだ。おこがましいお願いだが しっかりゲームデザインを理解した上で遊び、判断してもらいたい。もちろんミンナはそんなことはすぐに分かることは重々承知だが。
ネイロはこういった本来の遊びをこれからも大切にするスタジオでありたい。今回関わって頂いたアクワイア、ネイロの垣根をこえた全スタッフに感謝の意を表す。
日本に帰ったら日本でも体験イベントを行えれば嬉しい。。その時には、ボクらが目指した音ゲーを全身で感じて欲しいと願う。
orgarhythm(オルガリズム)ディレクター
ネイロ株式会社 代表取締役 平井 武史